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重度の歯周病が引き起こす症状について

2024年6月20日


こんにちは。

新座きりん歯科クリニックです。


「歯ぐきが腫れている」

「歯磨きすると出血する」

このような症状に心当たりはありませんか?もしあれば、歯周病の初期症状かもしれません。


歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、重症化すると歯を支える骨が溶けて歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。


本記事では、歯周病の段階と重度の歯周病が引き起こす症状、治療法について解説します。


■歯周病の段階と主な症状


歯周病は、歯肉炎と歯周炎の段階があり、それぞれ症状が異なります。


◎歯肉炎の段階

歯周病の初期段階です。歯と歯ぐきの間に歯垢が溜まり、歯ぐきに炎症を起こします。歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)は2~3mmと浅く、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。


しかし、歯ぐきが赤く腫れたり、ブラッシング時に出血したりすることがあります。歯肉炎は、毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院でのクリーニングで改善できます。


◎歯周炎の段階

歯周炎は、歯肉炎がさらに進行した状態です。歯周ポケットの深さによって軽度・中等度・重度の3段階にわけられます。


[軽度歯周炎]


軽度歯周炎は、歯ぐきの腫れやブラッシング時の出血など、炎症の症状が見られます。歯周ポケットが3~5mmと比較的浅い状態ですが、歯の根っこを取り囲む「歯根膜(しこんまく)」と呼ばれる組織や歯を支える骨の一部にも炎症が及んでいます。


[中等度歯周炎]


中等度歯周炎は炎症がさらに拡大した状態で、歯周ポケットが4~7mmと深くなっています。この段階になると歯を支える骨が溶け始め、歯がグラグラと揺れるのが特徴です。歯が不安定になることで噛み合わせが悪くなったり、食べ物が挟まりやすくなったりとトラブルが生じることがあります。


[重度歯周炎]


重度歯周炎は、最も深刻な状態です。歯周ポケットが6mm以上と非常に深くなり、歯を支える骨が大きく失われます。歯が大きくぐらつき、強い痛みや歯ぐきからの出血、膿が出るなどの症状が現れます。口臭がひどくなり、噛むことも困難になる場合も。放置すると最終的には歯を失ってしまう可能性が高い状態です。


■重度の歯周病が引き起こす症状


重度の歯周病になると、以下のような症状が現れます。


    • ・歯ぐきの腫れ・痛み
    • ・口の中がねばねばする
    • ・強い口臭が発生する
    • ・歯ぐきから膿が出てくる
    • ・歯と歯に隙間ができる
    • ・歯が揺れ動いて食事ができない
    • ・以前よりも歯が長くなる
    • ・歯が自然に抜け落ちる

まず、歯ぐきが赤く腫れ、痛みを伴うことがあります。また、歯ぐきから膿が出て口の中がねばねばした状態になり、強烈な口臭が発生することもあります。重度の歯周病になると歯が揺れるため噛む力が低下し、食事が困難になることも。


また、お口の問題だけでなく全身の健康にも深刻な影響を与える可能性があります。歯周病菌が血管に入り込むことで、糖尿病や心臓病、脳梗塞などのリスクを高める可能性があると言われています。また、妊娠中の女性は、早産や低体重児出産のリスクも高まるため、定期的な歯科検診を受け、初期段階から適切な対処をすることが大切です。


■重度の歯周病はどうやって治す?


重度の歯周病の治療は、以下の5つの方法があります。


◎歯周基本治療

歯周基本治療は、歯周病を改善するための基礎となる治療です。まずは歯垢(プラーク)や歯石の徹底的な除去を行います。歯垢には歯周病の原因となる細菌が含まれているため、できるだけ残さず取り除くことが重要です。


自宅でのブラッシングと歯科医院での処置をあわせて行います。


歯科医院では、超音波スケーラーなどの器具を使って歯石や歯垢を機械的に除去する「スケーリング」と、さらに細かな汚れを落とす「PMTC(専門家による機械的歯面清掃)」を行うのが一般的です。


歯の根っこに歯石や歯垢が付着している場合は、「ルートプレーニング」と呼ばれる処置で取り除き、根面を滑らかな状態に整えます。


動揺が見られる場合は、歯にかかる力が症状を悪化させてしまうこともあるため、歯を削って噛み合わせを調整し、歯への負担を軽減します。


◎歯周外科治療(フラップ手術)

歯周基本治療で改善が見込めない場合は、歯周外科治療などが必要になります。代表的な方法が「フラップ手術」です。


歯ぐきを切開して剥離し、歯の根っこを露出させます。スケーリングやルートプレーニングでなかなか取り除くことができなかった歯石や歯垢を、直接確認しながら徹底的に除去します。


◎歯周組織再生療法

歯周病で失われた歯を支える骨や歯ぐきの組織を人工的に再生させる方法です。「フラップ手術」を行った後、特殊な薬剤を注入して組織の再生を促します。


◎歯周補綴治療

歯がグラグラとひどく動揺している場合、歯磨きや食事が困難になります。ブリッジなどの補綴物(被せ物)を利用して動いている歯同士を固定し、機能の回復を図ります。


◎抜歯

歯周病が重症化し、どのような治療を行っても歯を残せない場合、最後の手段として抜歯を行います。


【歯周病は早期発見・早期治療が重要】


歯肉炎段階ならブラッシングやスケーリングで改善できますが、重度の歯周病は、適切な治療を受けなければ歯が抜け落ちてしまう可能性があります。


歯周病は、 早期発見・早期治療が重要です。定期的に歯科医院で検診を受け、歯周病のサインがあれば、すぐに歯科医師に相談しましょう。


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