こんにちは。新座きりん歯科クリニックです。
インビザライン矯正は、透明なマウスピースを使って歯並びを整える、新しいタイプの矯正治療。従来のワイヤー矯正と比べて目立ちにくく、取り外しも可能というメリットがありますが、成功させるためには食事について正しい知識を身につけることが大切です。
この記事では、インビザライン矯正中の食事に関する基本的なルールや、マウスピースを外さずに食事をした場合のリスクなどを解説します。
目次
■インビザライン矯正中の食事の基本ルール
装置が固定されているワイヤー矯正は、食べ物の種類によっては装置に引っかかったり破損の原因になったりするため、食事に多くの制限があります。
一方、インビザラインは、食事の際にマウスピースを取り外すことができます。そのため、基本的に食事制限はありません。これはインビザライン矯正の大きなメリットの一つです。
■マウスピースを外さずに食事をするとどうなる?
基本的には食事制限はほとんどありませんが、食事のたびにマウスピースを外すことが面倒に感じる方もいるでしょう。しかし、マウスピースを装着したまま食事をすると、以下のようなリスクが生じます。
◎虫歯・歯周病のリスク増加
マウスピースと歯の間に食べかすが挟まり、長時間放置されるとむし歯や歯周病のリスクが高まります。特に、糖分の多い食べ物や粘着性の高い食べ物は注意が必要です。
◎マウスピースの破損・変形
食事の際にマウスピースを装着したまま噛むと、強い力がかかって破損したり、変形したりする可能性があります。また、熱い食べ物や飲み物によってマウスピースが変形してしまうことも。
マウスピースが歯に合わなくなると、矯正力が正しくかからなくなり、計画通りに歯が動かなくなってしまいます。その結果、治療期間が延びたり追加費用が発生する可能性もあります。
◎マウスピースへの着色・変色
カレーやコーヒー、ワインなど、色の濃い食べ物や飲み物は、マウスピースに着色汚れが付いてしまう原因となります。一度着色してしまうと、完全に落とすことは難しく、見た目にも影響します。
■インビザライン矯正中に控えた方が良い食べ物・飲み物
インビザラインは、食事の際にマウスピースを自由に取り外せるため、食べたいものを我慢するストレスが少なく、普段通りの食事を楽しめることがメリット。
しかし、以下の食べ物・飲み物は、治療やむし歯への影響を考慮して可能な限り控えるか、摂取する際に注意が必要です。
◎硬い食べ物
氷や硬いおせんべい、フランスパンのような硬い食べ物は、マウスピースを外して食べる場合でも歯や顎に過度な力がかかり、矯正治療に悪影響を及ぼす可能性があります。
できるだけ控えるか、小さく切ってから奥歯でゆっくりと噛むようにしましょう。また、調理法を工夫し、柔らかくしてから食べるのも一つの方法です。
◎粘着性のある食べ物
キャラメルやガム、お餅など、粘着性の高い食べ物は、歯にくっつきやすくむし歯の原因になるため注意が必要です。できるだけ控えた方が良いですが、どうしても食べたい場合は、小さく切って奥歯で噛むように心がけ、食べた後は早めに歯みがきをしましょう。
◎色の濃い食べ物・飲み物
カレー・コーヒー・赤ワインなど色の濃い飲食物は、歯に色素が沈着しやすく、黄ばみや着色の原因になります。見た目にも影響するため、着色を防ぐためには飲食の際、気を付ける必要があります。
飲食の際は出来るだけストローを使う、飲食後すぐに水で口をゆすぐ、などの対策が効果的です。
◎糖分の多い食べ物・飲み物
糖分は、むし歯菌の栄養源となり、むし歯の発生リスクを高めます。
特に、マウスピースを装着している間は、唾液による自浄作用や洗浄効果が低下するため、通常よりもむし歯になりやすい環境です。摂取量を減らすか、食後に必ず歯みがきをするなどの工夫が効果的です。
◎アルコール
過度のアルコール摂取は、口腔内の乾燥を招き、むし歯や歯周病のリスクを高めます。また、アルコール自体に糖分が含まれている場合も多いため、注意が必要です。
■外食・間食時の注意点
マウスピース矯正中でも、外食や間食を楽しみたいですよね。しかし、矯正前と同じような振る舞いでは、周囲に不快な思いをさせてしまったり、矯正治療に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。ここでは、外食や間食をスマートに楽しむためのポイントを解説します。
◎外食時は周囲への配慮を忘れずに
外食の際は、食事前にマウスピースを外す必要があります。マウスピースは、料理が運ばれてくる前に外しておくのが理想的です。テーブルに料理が揃ってから慌てて外すのは、見た目にもあまりスマートではありません。人前では外さず、お手洗いや個室などを利用して、周囲の人への配慮を忘れないようにしましょう。
◎外したマウスピースは必ず専用のケースに保管する
外したマウスピースは、専用のケースに保管します。ティッシュなどに包んでしまうと、誤って捨ててしまうリスクがあるので要注意です。また、ケースは常に清潔に保ち、使用前には水で軽くすすぐなどの衛生管理も欠かさないように心掛けてください。
◎食後は歯みがきとマウスピース洗浄で清潔さを保つ
食後は、歯みがきとマウスピース洗浄を心掛けましょう。「少しだけだから」と油断は禁物です。食べかすが残ったままマウスピースを装着すると、むし歯や歯周病のリスクが高まります。可能であれば間食後も丁寧に歯をみがき、マウスピースも洗浄します。外出先で歯みがきが難しい場合は、うがいだけでも行い、帰宅後にしっかりケアすることを心がけましょう。
■まとめ
インビザライン矯正中の食事では、必ずマウスピースを外すことが基本ルールです。また、硬いもの・粘着性のあるもの・色の濃いもの・糖分の多いもの・アルコールは、矯正治療やむし歯への影響を考えて、できるだけ控えることをおすすめします。
これらのルールを守ることでスムーズな矯正治療を進められます。もし、インビザラインの食事に関して不安なことや疑問があれば、遠慮なく歯科医師に相談するようにしましょう。