
こんにちは。新座きりん歯科クリニックです。
「歯ぐきの再生療法を受けたけど、歯みがきはいつから始めていいの?」
「手術したところに歯ブラシが当たらないか怖い」
「強くうがいをしても大丈夫?」
手術を受けた後、このような不安を抱えていませんか?
歯ぐきの再生療法後のデリケートな時期は、間違ったケアをすると再生を妨げてしまう可能性があります。かといって、お口の清潔を保てないと、細菌が繁殖し感染のリスクを高めてしまうことも。
そこで本記事では、歯ぐきの再生療法後のお手入れについて解説します。
目次
■再生療法後の歯みがきは手術部位を避けて翌日から
結論からお伝えすると、歯ぐきの再生療法後の歯みがきは、手術した場所を避けて、手術の翌日から再開するのが基本的な考え方です。
手術直後の患部は、組織が再生しようと頑張っている非常にデリケートな状態。ここに歯ブラシが当たってしまうと、再生を妨げてしまう可能性があります。
一方で、手術部位以外の場所にプラーク(歯垢=細菌のかたまり)が溜まると、そこから細菌が繁殖し、手術部位の感染リスクを高めてしまいかねません。つまり、手術部位は安静にさせつつ、お口全体の清潔は保つという両立が重要になります。
■【日数別】再生療法後のお手入れ&メンテナンス
ここでは、再生療法後のお手入れ&メンテナンスを、手術当日から歯ぐきが安定してくる1ヶ月後までの流れを4つの時期に見ていきましょう。
◎手術当日はとにかく安静
手術当日は、歯みがきはしないことが一般的です。うがいも「ブクブク」と強くゆすぐのはやめましょう。処方された洗口液や水(ぬるま湯)をそっと口に含み、顔をゆっくり傾けて全体に行き渡らせ、静かに吐き出す程度にしてください。
※歯科医院や患者さまによって洗口液が処方されない場合もあります。
手術直後の歯ぐきの下では、失われた組織の再生が始まっています。「血餅(けっぺい)」と呼ばれる、かさぶたのようなものが作られるため、剥がれないように安静に過ごしましょう。
◎手術翌日~抜糸までは手術部位以外のケアが重要
手術の翌日から抜糸(およそ1~2週間後)までの期間は、手術部位に触れないよう細心の注意を払いながら、歯みがきを再開します。
このとき、普段の歯ブラシではなく、「術後用歯ブラシ」のような、ヘッドが小さく毛が非常に柔らかいものを使うのがおすすめです。
◎抜糸後~1ヶ月までは手術部位の歯みがきをそっと開始
抜糸が終わると、手術部位の歯みがきを開始する時期です。しかし、抜糸したとはいえ、歯茎の内部はまだ完全に回復したわけではありません。ここで力を入れて磨いてしまうと、再生しかけている組織を傷つけ、治療の妨げになりかねません。
歯みがきは必ず歯科医師の許可を得てから始めてください。引き続き、術後用の柔らかい歯ブラシを使い、優しいタッチで小刻みになでるように動かします。
特に歯と歯ぐきの境目はプラークが溜まりやすいので、意識して優しく清掃しましょう。
◎術後1ヶ月以降は通常のケアへ移行&メンテナンスへ
術後1ヶ月を過ぎ、歯ぐきの状態が落ち着いてきたら、通常のケアへと移行していきます。
歯科医師の指示に従い、普通の硬さの歯ブラシへと戻していきます。ただし、一度身につけた優しいブラッシングは、続けていく意識を持ちましょう。
また、1~3ヶ月に一度を目安に歯科医院で定期検診を受けることをおすすめします。
■こんな時はどうする?術後のトラブル・疑問解消Q&A
術後は、普段と違うお口の状態に、様々な疑問や不安が浮かんでくるものです。ここでは、よくある質問にお答えします。
◎縫合した糸が取れてしまったら?
すぐに歯科医院へ連絡してください。糸は組織を正しい位置に固定するための重要なものです。自然に取れるように計算されている場合もありますが、自己判断は禁物です。
◎市販のマウスウォッシュは使っていい?
処方された洗口液があれば、正しく使うようにしましょう。市販品の中にはアルコールなど刺激の強い成分が含まれているものもあり、手術後のデリケートな歯ぐきには逆効果になることがあります。
◎歯みがきをしたら少し血がにじみますが大丈夫?
歯茎はまだ完全に治っていないため、少しの刺激で出血しやすい状態です。抜糸後、歯みがきを再開した際に、唾液に血の色が混じる程度のにじみであれば、過度に心配する必要はありません。
ただし、いつまでも血が止まらなかったり、量が増えたりするようであれば、すぐに歯科医院へ連絡しましょう。
【再生療法の成功は正しい術後ケアとメンテナンス】
手術当日は歯みがきや強いうがいを避けて安静にし、翌日から抜糸までは手術部位を避け、術後用の柔らかい歯ブラシで他の歯をケアします。
抜糸後は歯科医師の許可を得てから手術部位も優しく磨き始め、1ヶ月が経過したら通常のケアに戻しながら定期メンテナンスを続ける、という流れが基本です。
市販のマウスウォッシュの使用を控え、うがいにも気を遣うなど、細かな注意点も守りましょう。
この記事で解説したのは一般的なケア方法です。少しでも「あれ?」と思うことや不安な点があれば、すぐに歯科医師に相談するようにしてください。





