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歯周組織の再生療法は誰でも受けられる?できない症例とは

2025年10月22日


こんにちは。新座きりん歯科クリニックです。


「歯周組織再生療法に興味があるけど、自分も受けられるのかな?」

「もし適応外だと言われたら、もう歯を守る方法はないの?」

こうした不安を感じていませんか?


結論からお伝えすると、歯周組織再生療法は残念ながら誰でも受けられる治療ではありません。


例えば、骨の溶け方が治療に適していなかったり、重度の糖尿病があったり、喫煙習慣があったりすると、治療が難しくなるケースがあります。


そこでこの記事では、歯周組織再生療法が「できない」とされるケースと適応外だった場合の代替治療について解説します。


■再生療法が適応外となる3つのケース


歯周組織再生療法が適用できない理由は、これからご紹介する3つのケースがあります。


◎歯を支える骨が広範囲に失われているケース

歯周病が進行すると、細菌の影響で歯槽骨が溶かされてしまいます。この骨の溶け方が、再生療法の効果を大きく左右します。


再生療法が効果を発揮しにくいのは、「水平性骨欠損」と呼ばれる、骨が水平に浅く溶けてしまっている状態です。


再生療法で用いるエムドゲインやリグロスといった再生材料は、骨が四方を壁のように囲む深い「くぼみ」(垂直性骨欠損)があれば、薬剤がその場にしっかりと留まり、効果的に再生を促せます。


しかし、水平性骨欠損は、再生材料を留めておくための壁がないためすぐに流れ出てしまい、形を保つことができず、再生療法の適応が困難になることがあります。


◎持病や健康状態が治療の妨げになるケース

お口の中の状態が万全でも、全身の健康状態によっては再生療法が受けられないことがあります。


  • ・血糖値のコントロールができていない糖尿病

  • ・骨粗しょう症の治療薬(ビスフォスフォネート製剤など)を服用中、または過去に注射で使用した経験がある

  • ・免疫力を低下させる疾患(例:自己免疫疾患、HIV感染症など)


血糖値のコントロールができていない高血糖の状態は、体の免疫機能を低下させ、傷の治りを遅らせてしまうことがあります。再生療法で期待される組織の再生がうまく進まないリスクを高めるため、原則として再生療法の適応外となることも。


ただし、主治医と連携し、ヘモグロビンA1cなどの数値が安定していれば、治療可能な場合も多くありますので、まずは歯科医師にご相談ください。


また、骨粗しょう症の治療に使われるビスフォスフォネート製剤(BP製剤)などは、骨の代謝に作用し、ごく稀にですが、外科手術をきっかけに顎の骨が壊死してしまう「顎骨壊死(がっこつえし)」という副作用を引き起こすリスクがあります。


再生療法も骨に影響を与える外科処置であるため、このリスクを考慮し、安全を期すために適応を見送ることがあります。


ご自身の安全を守るためにも、既往歴や現在服用しているお薬などは、必ず正確に歯科医師へ伝えてください。


◎治療への理解ができないケース

手術後の定期的なメンテナンスに通うことが難しい、あるいはご自身でのセルフケアを継続する意思がない場合、治療をお断りすることがあります。


再生療法は手術をすれば終わり、という魔法の治療ではありません。再生したての組織を維持するためには、術後のプロによる管理と、ご自身の丁寧なケアが必要です。


また、喫煙者の方は、再生療法の成功率に違いがでることもあるため、治療が推奨されない、あるいは禁煙をおすすめすることがあります。


■再生療法ができない場合の代替治療


再生療法が選択できない場合でも、お口の健康を取り戻すための治療法は他にもあります。ここでは代表的な治療を紹介します。


◎歯周外科治療(フラップ手術など)

骨の再生までは目指さずとも、歯周病の進行を食い止めるための「歯周外科治療(フラップ手術)」という選択肢があります。


この手術は、歯茎を一時的に切開してめくり、歯根の表面にこびりついた歯石や細菌に汚染された組織を、直接目で見て除去することを目的としています。


骨を増やすことはできませんが、現状の悪化を防げる可能性のある治療法です。


◎ブリッジ・入れ歯・インプラント

残念ながら歯の保存が難しいと最終的に判断された場合でも、失った歯の機能や見た目を補うための治療法があります。


それが「ブリッジ」「入れ歯(義歯)」「インプラント」という3つの代表的な治療です。


  • ブリッジ:両隣の健康な歯を土台にして、橋を架けるように人工の歯を固定する方法です。


  • 入れ歯:取り外し式の人工歯で、多くの歯を失った場合にも対応できます。


  • インプラント:顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法で、天然の歯に近い感覚を取り戻せます。


歯を失うことはつらいことですが、適切な方法で機能を補うことで、食事や会話の楽しみを取り戻すことは十分に可能です。


■再生療法が適応外でも道は一つではない


この記事では、歯周組織再生療法が適応外となる3つのケースについて解説しました。


  • ・歯を支える骨の溶け方が再生に適していない

  • ・糖尿病などの持病や服用中の薬がある

  • ・セルフケアや禁煙など、術後の協力が得られない


これらの理由から、再生療法は全ての方にご提供できるわけではありません。


しかし、再生療法が適応外と診断されたとしても、歯周病の進行を食い止める「歯周外科治療」や、万が一歯を失っても機能を補えるブリッジ・入れ歯・インプラントなど、他にも選択肢はあります。


「自分は適応外かもしれない」と一人で悩み、治療を諦めてしまうのは非常にもったいないことです。適応できない場合もありますが、お口や健康状態を確認し、再生療法が行える場合もあります。まずは歯科医師に相談し、ご自身の現状を正確に把握することから始めましょう。



新座きりん歯科クリニック
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