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タバコで歯がボロボロに?喫煙者が歯周病になりやすい理由とは

2025年9月24日


こんにちは。新座きりん歯科クリニックです。


喫煙を続けることで歯がボロボロになる主な原因は、自覚症状なく進行する「歯周病」です。


タバコに含まれる有害物質は、歯ぐきの血流を止め、免疫力を下げることで歯を支える骨を溶かしていきます。


本記事では、なぜ喫煙が歯周病を悪化させるのか、3つのメカニズムを科学的根拠に基づいて解説。さらに歯周組織再生療法についてもご紹介します。


■喫煙者の歯がボロボロになるのは「重度の歯周病」が原因


なぜ喫煙者の歯は、気づかないうちにボロボロになってしまうのでしょうか。まずは、タバコを吸わない人と比べて、どれほど危険な状態にあるのかを理解していきましょう。


◎非喫煙者と比較すると喫煙者の歯周病リスクは2~8倍

結論から言うと、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病にかかるリスクが2~8倍高まります。


また、1日に10本以上タバコを吸う人は、吸わない人と比較して歯周病にかかるリスクが5.4倍以上、さらに10年以上吸っていると4.3倍以上にまで跳ね上がるという研究データがあります。


歯周病と喫煙|公益社団法人神奈川県歯科医師会


◎気づいたときには手遅れになることが多い

喫煙者の歯周病が恐ろしいのは、本来なら現れるはずの「危険信号」が隠されてしまう点です。


タバコに含まれるニコチンの血管収縮作用によって、歯周病の初期症状である歯みがき中の歯ぐきからの出血が止まってしまうことがあります。


例えば、非喫煙者であれば歯ぐきが腫れると、歯ブラシが少し当たっただけで出血し、「何かおかしいな」と歯科医院を受診するきっかけになります。


しかし喫煙者の場合、同じレベルまで歯周病が進行していても出血しないため、「自分は歯ぐきは問題ない」と勘違いしてしまうケースも。


このように、出血という体からのSOSが見過ごされることで、気づいた時には手遅れ寸前まで病状が静かに進行してしまうことがあります。


■タバコが歯周病を悪化させる3つの理由


「タバコが体に悪い」ことは、多くの方が知っていると思います。では、どのようにして歯周病を悪化させてしまうのでしょうか。その理由を3つ解説します。


◎理由①:ニコチンが歯ぐきへの栄養補給路を遮断する

ニコチンが体内に入ると、歯ぐきに無数に張り巡らされている毛細血管がギュッと収縮し、血の流れが著しく悪くなってしまいます。


血液が十分に巡っていると、歯ぐきはきれいなピンク色をしますが、喫煙者の歯ぐきが血行不良になると、酸素や栄養素が行き届かず暗い紫色になります。


その結果、歯ぐきは歯周病菌に対して無防備となり、抵抗できないまま一方的に破壊が進んでしまうのです。


◎理由②:体の免疫システムが機能不全に陥る

喫煙は、お口の中を守るべき免疫システムそのものを機能不全に陥らせてしまいます。


タバコの煙に含まれる有害物質は、血液に乗って全身を巡り、体を細菌やウイルスから守る免疫細胞の働きを直接的に低下させることが、科学的にも証明されています。


本来であれば、お口の中に歯周病菌が侵入してきても、唾液に含まれる免疫物質や白血球が撃退してくれます。しかし、喫煙によって免疫力が低下すると、歯周病菌の増殖を許し、歯を支える顎の骨の破壊をさらに加速させてしまうのです。


◎理由③:傷を治す「治癒能力」が著しく低下する

喫煙は、歯ぐきがダメージから回復する力、つまり「治癒能力」を低下させます。


私たちの体には、傷ついた組織を自ら修復する力が備わっています。しかし、組織の修復には、十分な酸素と栄養素を運ぶための血流が必要です。前述のとおり、喫煙は血行不良を引き起こすため、修復に必要な材料が患部に届かなくなります。


破壊されるスピードに回復するスピードが全く追いつかず、病状は悪化の一途をたどるのです。


■抜歯の前に知ってほしい「歯周組織再生療法」


ここまでタバコが歯に与える深刻な影響についてお話ししてきました。一度溶けてしまった顎の骨は、二度と元には戻りません。しかし、医療技術の進歩により、失われた歯周組織の再生を促す技術が実用化されています。


◎歯周組織再生療法とは?

歯周組織再生療法とは、その名の通り、歯周病によって破壊されてしまった歯を支える組織を、もう一度「再生」させることを目指す外科的な治療法です。


この治療では、まず歯の周りの歯石や感染した組織を徹底的に清掃します。その後、特殊な医療材料を使い、骨が再生するための「スペース」と「きっかけ」を作ってあげるのです。


具体的には、「メンブレン」と呼ばれる人工の膜を設置して、骨が再生すべきスペースを確保する方法や、「エムドゲイン・ゲル」という、歯が生えてくる時に必要なタンパク質を主成分とした薬剤を塗り、骨の再生を促す方法などがあります。


この治療が成功すれば、抜歯しかないと診断された歯であっても、自分の歯を残せる場合があるのです。


◎治療が可能かどうかは精密検査が必要

ただし、この歯周組織再生療法は、残念ながら誰にでも適応できる万能な治療法ではありません。


なぜなら、治療が成功するかどうかは、骨がどのように失われているか(骨欠損の形態)や、お口の中の衛生状態、全身の健康状態など、様々な要因に左右される治療だからです。


そのため、治療を受けられるかどうかを正確に知るためには、レントゲン撮影で骨の状態を三次元的に確認したり、歯周ポケットの深さを1本1本丁寧に測定したりといった精密検査が必要になります。


【手遅れだと決めつけず、まずは歯科医師に相談を】


喫煙者の歯がボロボロになる原因は、気づかぬうちに進行した歯周病です。タバコは「血流悪化」「免疫力低下」「治癒能力低下」で歯周病を悪化させてしまいます。


歯周病は、気づかないうちに歯を支える骨を溶かしていく恐ろしい病気ですが、現代の歯科医療には失われた組織の再生を促す治療法が存在します。


もちろん、再生療法は誰にでも適応できるわけではなく、精密な検査と診断が必要です。まずは可能性を知ることが、治療への第一歩です。興味のある方はお気軽にご相談ください。


新座きりん歯科クリニック
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