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「歯ぐきが下がって歯が長く見える」なぜ歯ぐきが下がるの? 原因と治療について

2025年7月22日


こんにちは。新座きりん歯科クリニックです。

「なんだか最近、歯が長くなった気がする」

ふとした瞬間に歯ぐきの変化に気づいて、不安に思っている方はいませんか?


これは「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」という症状かもしれません。


歯ぐき下がりは、歯周病や強すぎる歯みがき、歯ぎしりなどが原因で起こり、実は20代・30代の若い世代にも無関係ではありません。


そこでこの記事では、歯ぐきが下がる原因、歯科医院で受けられる治療、これ以上悪化させないための予防策まで解説します。


■「歯ぐきが下がって歯が長く見える」のは歯肉退縮


歯ぐきが下がって見える現象は、専門的に「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」と呼ばれます。


これは、歯を支えている歯ぐきや、その下にある骨(歯槽骨:しそうこつ)といった土台となる組織が痩せてしまった状態のことです。


通常、歯の根は歯ぐきに覆われていますが、歯肉退縮によって、歯の内部にある象牙質(ぞうげしつ)が露出した場合は注意が必要です。象牙質は歯の表面を覆う硬いエナメル質と違い、柔らかく酸に弱いため、むし歯が進行しやすい特徴があります。


また、歯肉退縮が起こると、以下のようなお口のトラブルにつながることがあります。


  • ・歯が以前よりも長くなったように見える

  • ・冷たい水を飲んだ時に「キーン!」と鋭く痛む(知覚過敏)

  • ・歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなる


■歯肉退縮を引き起こす3つの原因


歯肉退縮の原因は以下の通りです。


◎歯周病の進行

歯肉退縮の主な原因は、歯周病の進行です。


歯周病とは、歯と歯ぐきの境目に溜まった歯垢(プラーク)の中に潜む細菌によって歯ぐきに炎症が起こり、悪化すると歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまう病気です。


歯を支える骨が溶けてしまうと、その上を覆っている歯ぐきも一緒に下がってしまうことがあります。


◎強すぎるブラッシング

良かれと思って行っている毎日の歯みがきも、やり方次第では歯ぐきを後退させる原因になります。


硬い毛先の歯ブラシで、強い力を込めてゴシゴシと磨く「オーバーブラッシング」は、歯ぐきの表面を物理的に傷つけ、すり減らしてしまいます。


◎歯ぎしり・食いしばりの癖

就寝中の歯ぎしりや食いしばりの癖も、歯ぐきが下がる原因の一つです。


歯ぎしりや食いしばりによって歯に過剰な力がかかると、歯が揺さぶられ、歯を支えている周りの骨や歯ぐきに大きな負担がかかります。この継続的なダメージによって組織が破壊され、結果として歯ぐきが下がってしまうこともあるのです。


■若い世代でも注意が必要


「歯ぐき下がりは、年配の方の悩みでしょう?」と思われがちですが、20代、30代の若い世代でも歯肉退縮は十分に起こり得ます。


なぜなら、ご紹介した歯周病やブラッシング、歯ぎしりといった原因は、年齢に関係なく誰にでも起こり得る生活習慣や癖だからです。


特に初期の歯周病は自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行しているケースも珍しくありません。


■下がった歯ぐきは自力で戻すことができる?


一度下がってしまった歯ぐきは、歯みがきやマッサージといったセルフケアだけで元に戻ることはありません。


歯肉退縮は歯ぐきだけでなく、その下にある歯を支える骨の喪失を伴っていることがほとんどだからです。そして、そして、一度失われた歯ぐきや骨は、皮膚のすり傷のように自然には元に戻りません。


市販の歯みがき粉などには「歯ぐきの再生を促す」と謳うものもありますが、それらは抗炎症成分で歯ぐきの腫れを抑え、引き締める効果を目的としています。


失われた組織そのものを元通りに再生させるわけではない、と理解しておくことが大切です。


■歯科医院で行われる3つの治療法


専門的な歯科治療によって歯ぐきが下がるのを食い止め、見た目を回復させることは十分に可能です。


◎まずは歯周病治療やブラッシング指導で原因を除去

まずは歯肉退縮の根本原因(歯周病や強すぎるブラッシングなど)を見極め、適切な対策を行い、現状の悪化を防ぐことを目指します。


歯周病が原因であれば歯石除去などのクリーニング、ブラッシング圧が強すぎるなら歯みがき指導、歯ぎしりが原因なら就寝時に装着するナイトガードの作製などを行います。


◎歯ぐきを移植して見た目を改善

原因を取り除いた上で、露出してしまった歯の根を覆い、見た目を整える治療法があります。その代表的な方法が「根面被覆術(こんめんひふくじゅつ)」という外科手術です。


これは、自身の健康な歯ぐきの一部を採取し、歯ぐきが下がってしまった部分に移植して縫い合わせることで、露出した歯の根元を物理的に覆う手術。この治療により、「歯が長く見える」「歯がしみる」といった悩みの改善が期待できます。


※根面被覆術に対応していない歯科医院もあります。


◎失われた歯周組織を再生させる

さらに失われた歯周組織そのものを「再生」へと導く、再生療法もあります。


これは「エムドゲイン・ゲル」という薬剤や人工膜を用いることで、歯を支える骨やセメント質、歯根膜の再生を促す治療法です。代表的な方法に「エムドゲイン法」と「GTR法」が挙げられます。


エムドゲイン法は、歯が生えてくるときと同じようなタンパク質を主成分としたジェル状の薬剤を歯の根元に塗り、組織の再生を促します。


一方、GTR法は、人工膜で歯の根の周りを覆い、骨が再生するためのスペースを確保する手法です。歯ぐきなど組織が入り込むのを物理的に防ぎ、時間をかけて骨が再生するのを待ちます。


どの治療法が適しているかは、お口の状態によって異なります。まずは歯科医師に相談し、ご自身の状態を正確に把握することが大切です。


■これ以上歯ぐきを下げないためにできること


治療によって歯ぐきの状態が改善しても、その後のケアを怠ると再び歯肉退縮が進んでしまう可能性があります。


歯肉退縮を予防し、再発させないために大切なのは、毎日の正しいブラッシングです。


歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で優しく当て、小刻みに振動させるように磨きましょう。


また、完璧なセルフケアを心がけていても、歯科医院でのケアは欠かせません。

なぜなら、硬い歯石やバイオフィルムは専門的な器具を使わなければ除去できないためです。また、噛み合わせの変化など、自分では気づきにくい問題もチェックしてもらえます。

3ヶ月から半年に一度のペースで検診とクリーニングを受けることをおすすめします。


■歯ぐきの下がり、諦めないで適切なケアと治療で改善を目指そう


歯肉退縮は、歯周病や強すぎるブラッシング、歯ぎしりといった日常生活に潜む原因によって引き起こされ、年齢に関わらず誰にでも起こり得る問題です。


一度下がってしまった歯ぐきを自力で元に戻すことは困難ですが、歯科医院で原因を取り除き、歯ぐきの移植や再生療法といった専門的な治療を受けることで、見た目や機能の改善が期待できます。


「もしかして私も?」と感じたら、一人で悩まず、まずは歯科医師に相談してみてください。


新座きりん歯科クリニック
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